LONG INTERVIEW

自分の人生の主人公でいてほしい。
だから、心が揺れる授業をします。
国語科教員
Shihona Morita
〈プロフィール〉
2024年4月入職。千葉県船橋市生まれ、東京育ち。小学生の時は、知識量を試されて評価されることへの反骨心から、教師になろうと心に決める。高校3年時の父親の死を乗り越えて進学した大学で、2年次から土屋忍教授の近現代文学ゼミに所属。文学をテーマにした映像制作等を経て、生きる力としての表現(アウトプット)の大切さを知る。
ソファの後ろで隠れて読むほど、本が大好きな子どもでした。幼稚園の頃から好きだったのは、「かいけつゾロリシリーズ」。小学生になると、本棚には青い鳥文庫がずらっと並ぶようになり、教科書も夢中になって読みました。「ごんぎつね」「海のいのち」。小学校時代の国語の教科書に出ていた詩や小説は、今でも、全部覚えています。
大学では文学部にて学び、国語科の教員免許を取りました。でも、子どもひとりひとりと密なコミュニケーションをとりたくて、就職先は、学校ではなく児童養護施設を選びました。大学出たての私が、いきなり6人の子の親代わり。私自身、父の自死という大きな出来事があり、エネルギー量が少なくて、感情の吐き出し口がなく攻撃的になることもある子どもたちを前に、自分ができることは何なのか。迷いながらの日々でした。

そこで関わった子供達の成長は、今でも私の原動力になっています。子どもってこんなに成長して変われるんだって、私も教えてもらったんです。
私は本でもテレビでも映画でも、心が揺れる瞬間が好きです。人って、心が揺れた時のことは記憶していると思うんです。だから、私は、授業でも、心が揺れるような体験ができるようにしたい。
そのために、国語の授業だけではなく、プロジェクトとして取り組んでいるのが、道徳の授業をゼロから創り上げること。生きる力の土台となる「自分を知る」ことをベースとし、中1では自己理解、中2で他者理解、中3になると社会に繋がるイメージで、段階的に、視野が広がっていく中で、自分に自信を持って、自己を確立していくことを目指します。誰もが、自分の人生の主人公でいられるように。どんな授業にすれば、心が揺れて、はっとするような気づきを得られるのか。プロジェクトメンバーの先生たちと話しあいながら、考えています。
今は、まさに学校改革の中で、新しいものを拒む体制がないから、好奇心がくすぐられて本当にわくわくする。大船に乗るよりも、新しい学校のスタートに向けて、まさに創り上げていくこの感じが、私はすごく好きなんです。今、みんなで目指しているのは、本当の意味で、生徒が主体となる学校になること。そのために、縁の下でいくらでも支えてあげられる大人のひとりでいたいと、思っています。

